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かつて主流の鉛筆だった「HB」のシェアが低下している。約20年前には大手文房具メーカーの出荷のほぼ半数を占めたが、近年は2割に低下し、より濃く書ける「2B」が4割と逆転した。新入生に2Bを使うように指導する小学校が増えていることが背景にあるようだ。
◎出荷量はHB2割の一方 2Bは4割に高まる
鉛筆は芯が軟らかいほど字が濃くなり、硬いほど折れにくく、薄く細い字になる。JIS規格では9Hから6Bまで17種類の芯があり、HBが濃さや硬さで「基準となる鉛筆」とされる。
三菱鉛筆によると、HBの出荷が全体に占める割合は1994年に約5割だったが、2014年は2割に。一方、2Bは2割から4割に高まった。トンボ鉛筆も2Bが高まり、HBは低下した。両社は2Bを使うように指定する小学校が増えていることを理由に挙げる。
群馬県教委の担当者は「使用する鉛筆の硬度の指定や推奨はしていない」としているが、前橋市内の学校関係者は「筆圧が弱い低学年を中心に2Bの使用を勧めている。止めや払いなどの文字の書き方を覚えるには軟らかい方が適している」と話す。
オフィスで鉛筆が使われる機会が減ったことも影響しているようだ。三菱鉛筆の担当者は「パソコンが広まり、鉛筆が使われるのが主に教育現場になったことも関係している」と分析している。