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時価1億円ともいわれるイタリアの高級スポーツカー「フェラーリF40(フォーティー)」が静岡県函南町の整備工場から盗まれていたことが27日、わかった。工場にはF40以外のフェラーリもあったが、F40だけ盗まれており、県警は人気のF40を狙った窃盗事件とみて調べている。
捜査関係者によると、F40が盗まれたのは8月末。F40は、横浜市の所有者が整備工場に預けていたものだった。工場はシャッターが閉められ、F40ではないほかのフェラーリ1台が奥に置かれたF40をふさぐ形で置かれていたが、ほかのフェラーリは鍵が壊されて脇に動かされ、奥にあったF40だけがなくなっていた。捜査関係者はF40の価値がわかったうえでの犯行とみている。
フェラーリのオーナーが集う「フェラーリ・クラブ・ジャパン」で30年にわたり会長を務めた切替徹元会長(69)=茨城県土浦市=によると、F40は1987年発表で、88〜92年に1120台前後が生産されたとみられる限定車。フェラーリ創設者で88年に死去した故エンツォ・フェラーリが最後に製作に携わった「本物のフェラーリ」として、ファンの間で人気が高いという。
発売当時は4500万円だったが、89〜90年のバブル期には2億5千万円の値を付けた。現在も程度によって5千万〜1億1千万円で販売されているという。