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東京都内の公立中学3年の男子生徒に対し、胸を強く圧迫して気を失わせる「失神ゲーム」と呼ばれる暴力行為を集団で行っていたとして、警視庁少年事件課が暴力行為等処罰法違反容疑で、同級生の少年ら数人を逮捕していたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。少年らは「インターネットでやり方を知った」と供述。ネット上では失神ゲームの方法を解説する動画が氾濫しており、同課は掲載サイトに有害情報だとして削除を要請する。
失神ゲームは、激しい運動などで過呼吸状態にさせた上で、胸を強く圧迫して気を失わせる行為。以前から、子供たちや若者の間で口コミで流行し、いじめの一形態として行われてきたほか、自ら浮遊感覚を楽しむケースもあった。
少年らには今年、都内の少年宅などで男子生徒に深呼吸を繰り返すことを強要し、胸を強く圧迫して、失神させるなどした疑いが持たれている。
少年らは教諭やほかの生徒の目がある学校内を避けて、自宅などで男子生徒に暴行を加えていたとみられ、学校側は把握していなかったという。男子生徒のけがを不審に思った親が問いただして発覚した。
■「遊び感覚で紹介」氾濫
「失神ゲーム」は「気絶遊び」とも呼ばれ、数十年前から、呼び名通りの遊び感覚で子供たちの間で行われてきた。だが、いじめに使われることも多く、現実には死の危険さえ潜む。最近では、インターネット上に実践動画が拡散しており、安易な模倣行為が懸念されている。
「立つ瞬間に息を吸います」「心臓を圧迫します」。インターネットの動画共有サイトには、少年らが失神ゲームを実践しながら詳細に解説し、面白おかしく紹介する動画が多数、投稿されている。日本語だけでなく、英語など海外の動画も拡散しており、捜査関係者は「見れば誰でも実践できる状態だ」と危機感をあらわにする。
失神ゲームによる暴行や傷害事件は後を絶たない。昨年4月、同級生に失神ゲームを強要するなどして暴行を加えたとして、傷害容疑で福岡県警に逮捕された高校2年の男子生徒は「遊び感覚でやった」と供述したという。
だが失神ゲームは、遊びとはほど遠い重大な結果を招いている。平成24年には、北海道の高校1年の男子生徒が気を失った後に転倒して歯を折るなどの重傷を負った。14年にも東京都練馬区で小学5年の男児が気を失い、同様に歯を折る重傷を負っている。
18年に埼玉県新座市で中学3年の男子生徒5人が傷害容疑で逮捕された事件では、失神ゲームで気を失うなどしてけがをした男子生徒が、5人とその親に対して約330万円の損害賠償を求めるなど訴訟にまで発展した。
杏林大法医学教室の佐藤喜宣教授によると、失神ゲームで気を失うのは、過呼吸状態で脳が酸素が足りていると錯覚し、胸を圧迫して呼吸を止めても脳が酸素を求めず無呼吸状態が続くためだという。
無呼吸状態が続けば、脳を損傷することで運動や思考などに障害が生じ、最悪の場合、死に至るケースもある。
当初は異変が見られなくても、徐々に障害が表れるケースもあるといい、佐藤教授は「極めて危険な行為で、絶対にしてはならない」と指摘している。