メキシコ北西部ソノラ州の司法当局は30日、信仰する「死に神」に生き血をささげるため、10歳の少年2人を含む3人を殺害したとして、カルト教団の幹部ら8人を逮捕したと発表した。骸骨の姿をした「サンタムエルテ」を祭るメキシコ特有の信仰だが、このために人が殺害されたのが確認されたのは初めてという。
発表によると、8人は2009年から今年にかけ、生きている少年2人と44歳の女性の首を切って血液を集めた。大きな鎌を持ち、ローブをまとった骸骨の姿の「サンタムエルテ(聖なる死に神)」を祭る祭壇の周辺にまいたという。
サンタムエルテ信仰は、先住民の宗教とカトリックが融合した、メキシコ特有の宗教で、多くの教団がある。麻薬の密売人や犯罪組織メンバーのほか、貧しい人々に信者が多い。通常、この信仰で「聖なる死に神」にささげるのは、キャンディーやたばこ、香料。人が殺害されたことが確認されたのは、初めてという。
今回は、最後の犠牲者となった少年の家族から、捜索願を受けた司法当局が教団の関与を突き止め、幹部らの供述から、ほかの2人も犠牲になっていたことが分かった。
ソノラ州のスポークスマンによると、犠牲者のうち1人は、2009年に殺害されたと見られる。2人目は2010年、3人目は3月初旬という。
「儀式は夜間、ろうそくをともして行われる。彼らは犠牲者がまだ生きている間に、血管を切って開き、流血して死んでいくのを待つ。コンテナにその血液を集めるのです」(スポークスマン)。
今回逮捕された中で、「司祭」を名乗るバロン・ロペス氏(48)が、殺害を主導。その妻が祭壇の周りに血をまいたとみられている。このほか、15歳の少女から44歳の女性が逮捕されたが、多くが親戚という。
この不気味な殺人は、1980年代に起きたカルト宗教事件を想起させる。当時はメキシコ北東部のマタモロスから、米テキサス州のブラウンズビルにかけて、儀式の跡が残った15人の遺体が掘り起こされた。ただし、今回の事件との関連性はないという。
◆世界のカルト教団による主な事件
▼93年2月 ヨハネの黙示録の終末思想を掲げる「ブランチ・デビディアン」が、米テキサス州で連邦捜査局(FBI)と銃撃戦を繰り広げ、72人が放火で集団自殺した。
▼94年10月 ニューエージの神秘主義と環境保護を主張する「太陽寺院」が、米とカナダで集団自殺。53人が遺体で発見。
▼97年3月 「ヘブンズゲート」(天国への門)が、米カリフォルニア州ですい星接近に合わせて39人が集団自殺した。
▼2000年3月 アフリカのウガンダで「神の十戒復古運動」の信者900人以上が死亡しているのが見つかった。自殺のほか撲殺、刺殺、毒殺死など死者多数。
むごい事をしますね・・・。
生きたままとか普通じゃないな。
こんな事のために殺された人たちが浮かばれませんね・・・。
一体何のためにこんな事したのだろうか・・・、知っても理解できないのだろうけど・・・。
通常捧げるのがキャンディとかでいいのならば、最初からそれでいいじゃないか・・・。