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兵庫県丹波市内のお堂で、綱を揺すって音を鳴らす法具の「鰐口(わにぐち)」が盗難被害に遭っていたことが分かった。同市内では5、6月にかけて、別の2つの神社でも小宮の屋根などの銅版が盗まれている。
盗まれた鰐口は鉄か銅の鋳物とみられる。神社の事案との関連は分かっていないが、被害に遭ったお堂も神社も民家から離れた場所にある。地元住民は「なぜ盗んだ。腹立たしい」と憤っている。
毎朝散歩している近くの女性が5月1日、お堂に掛かっていてつるした縄で打ち鳴らす鰐口がなくなっているのに気付いた。お堂は2つあり、1つずつ掛かっていたものが消えていた。前日朝にはあったことが確認されている。地元の男性(60)によると、鰐口をお堂に引っ掛けるための金属のくさりを切った残骸が残っていたという。
お堂は、深い山にあったものを1955年に平地に下ろしてまつっている。盗まれた鰐口はその時に新しくされたものか、山にあった頃からのものだったか定かでなく、男性は「盗まれると思ってもみなかったので記録写真がない。里でまつって60年余り、こんな事になり非常に残念」と言葉を絞り出した。
丹波署によると、6月29日までにお堂と神社2件以外の被害情報は入っていないという。同署は窃盗容疑で捜査している。